富岡町の平成25年第5回9月定例議会が9月17日から20日までの4日間の会期で、富岡町役場郡山事務所桑野分室(旧福島地方法務局郡山支局)において開会され、初日の9月17日(火)、遠藤 一善議員より「災害公営住宅について」一般質問が行われ、埼玉県杉戸町に災害公営住宅を整備することについての言及がありました。
以下の通り、宮本町長、横須賀企画課長の答弁とあわせて、その要旨を抜粋してお伝えさせていただきます。
◆遠藤議員による一般質問(要旨:抜粋)
災害公営住宅については、現在「県営」ということで、計画が進んでいる。
先行の500戸については、建設入札の不調などで計画がスムーズに振興されていない状況にある。
そのような状況の中、富岡町が主体となった町営の災害公営住宅の整備を進めていくべき時期に来ていると感じている。
特に、大玉村、三春町の災害公営住宅に関して、町としてどういう方針で進めていくのか、今までと同様、県営でいくのか方針を聞きたい。
また、富岡町は避難所を埼玉県杉戸町に設置した。その関係で現在も杉戸町に多くの人達が住んでいる。
埼玉県杉戸町に住んでいる町民から災害公営住宅を埼玉県杉戸町に整備して欲しいという要望が町に届いている。
県外においても、スムーズに物事を進めるためには、やはり町が中心となり、町が先頭を切った町営の災害公営住宅の整備を進めるべきと考えるが、町の方針をお聞かせ願いたい。
(以降、事業再開支援についての質問:割愛)
◆宮本町長による答弁
県外避難者への施策として、避難所を設置した埼玉県杉戸町に災害公営住宅の整備を進めるべきでは?についてお答えする。
埼玉県には富岡町民が約580名避難している。杉戸町には15世帯、38名の町民が避難している。
今後も杉戸町に住みたいという町民の要望もあること、杉戸町でも協力したいとの意向もあることから、現在行っている住民意向調査の結果を踏まえて、国及び県と検討することとなっている。
なお、意向調査について、町単独での建設が難しい場合は、避難している近隣町村にも働きかけるなど、できる限り対応できるよう進めていきたいと考えている。
◆遠藤議員
杉戸町に災害公営住宅を整備することに関して、杉戸町のスケジュールで動くのか、福島県のスケジュールで動くのか、それとも富岡町のスケジュールで動くのか、現在の打ち合わせの過程でどのような方向性で進んでいるのかお聞かせ願いたい。
◆横須賀企画課長による答弁
杉戸町については、個別協議というきちっとした協議は始まっていない。
杉戸町との間では、今回の意向調査によって、どのくらいの町民が住みたいか、その結果を踏まえて協議しましょう、ということになっている。
従って、町営ではなかなか難しいと考えており、杉戸町営という形ができないか検討していきたい。
富岡町と杉戸町の協定によって、杉戸町営という形は可能と考えるので、その辺りも踏まえて、意向調査の結果を踏まえて今後検討していきたい。
*「個別協議」についてはこちらをご参照ください(復興庁資料PDF)。
◆遠藤議員
意向調査の結果が出る前に、例えば双葉町など他の町と横の連絡を先行してやる方法もあると思う。
他の町村と先行して話をしていく予定があるのかお聞かせ願いたい。
◆横須賀企画課長
現在ほかの町村ということでは、双葉町、大熊町、浪江町、富岡町の4町で、いわきの個別協議会という形で合同で(災害公営住宅の整備を協議を)やっている。また、郡山においても合同の協議会がある。
他の町村との協議はできる状況になっているので、先行してやりたいと思う。
◆遠藤議員
(災害公営住宅の整備については)富岡町だけの問題ではない。
埼玉もそんなにどこにでも(災害公営住宅を)建てられる状態ではないと思われる中、杉戸町と富岡町とのつながりが一番強い。
杉戸町の場合、先方が協力的であるので、ぜひとも富岡単独ではなくても、スピード感を持って実現できるようにしていただければと思う。
(追記)
以上の福島県富岡町議会 遠藤一善議員による一般質問および当局からの答弁については、「とみおか議会だより」vol.176(2013.10.22号)でも紹介されており、下記アドレスにてご参照いただけます。
http://www.tomioka-town.jp/gikai/assets_c/2013/10/176_11-3664.html
私たちSSNが、福島県議会に9月20日に陳情を行った3つの内容の3番めは以下の通り、この福島県富岡町と埼玉県杉戸町との取り組みをはじめとする、福島県外における災害公営住宅の整備について、県としても積極的に協力するように求めるものとなっています。
3 福島県外にも、災害公営住宅(復興住宅)を整備するため、必要な措置を講ずること
災害公営住宅の整備について、現状では「福島ふるさと復活プロジェクト」(平成24年度補正、平成25年度政府予算案)の中の「2,長期避難者の生活拠点形成」における「コミュニティ復活交付金」(長期避難者生活拠点形成交付金(仮称))が割り当てられています。
この対象地域は、本来、福島県内に限らず、「避難元自治体が原発避難者向け災害公営住宅を整備することとして、長期避難者生活拠点形成事業計画を作成した受入市町村」となっています。
避難先で生活再建を図ろうとする避難者の選択を尊重し、福島県外にも恒久住宅としての災害公営住宅(復興住宅)の整備を積極的に推進し、避難元自治体と福島県外の受け入れ先市町村が災害公営住宅の整備について計画を策定し実行する場合には、福島県としても、当該計画の策定及び実行に積極的に協力し、関係機関との調整を行っていただきますようお願い致します。
(9月19日に、埼玉県議会に対して行った陳情もこれに準じています。)
この福島県富岡町と埼玉県杉戸町との取り組みが、「福島県外にも災害公営住宅、あるいは代替となる住居の提供」を求めていく事の実現に向けての大きな一歩となるものと思います。
ぜひ、今後の動向に注目して参りたいと思います。