埼玉県杉戸町議会 12月定例会において、本日(2013年11月29日)、「災害公営住宅建設に向けて」ということで、一般質問が行われる事を、福島県富岡町から避難中の被災者団体「杉戸元気会」の代表の方よりお知らせをいただき、議会の傍聴に行ってまいりました。
以下の通り質疑の概要についてご報告いたします。
*本写真は議会事務局にご許可をいただき休憩中に撮影させていただきました。
「災害公営住宅建設に向けて」という一般質問を行ったのは、須田恒男議員。
4つの一般質問のうちの一つとして、1時間の持ち時間の半分以上を費やしての質疑が行われました。
全議員及び杉戸町当局全員には、9月に行われた福島県富岡町議会における遠藤一善議員による一般質問「杉戸町に災害公営住宅の整備を」の質問及び答弁の概要が記された、とみおか議会だよりのコピーなどの資料が配布されていました。
須田恒男議員による質問の内容は次の通りです。
東日本大震災から2年9か月を迎えようとしている。未だ、原発事故による災害によって故郷に帰ることが不可能な方が多くいる。我が杉戸町にも、友好都市の富岡町の避難者が生活を営んでいる。
これまで国は、除染実施によって避難者には故郷に帰っていただく方針であったが、11月11日の報道では、「全員帰還」の原則から帰還困難区域及び区域外において、自・公両党は移住支援を進めるとの提言を首相に提出した。
そこで、杉戸町及び富岡町の9月議会での議論をふまえ、以下質問する。
(1) 報道をどのように受け止めたのか伺う。
◆古谷町長の答弁
自・公両党による提言は、年間被曝放射線量が50ミリシーベルト超の帰還困難地域については、今後何年かは帰還困難であることを明確に示し、新しい生活のための判断材料を、国として提示する責任がある事を指摘しており、除染やインフラ整備を優先することで全員帰還という、従来の政府方針の転換を促したものと認識している。
この報道を受けて私(の個人的な見解)としては、高線量地域で帰りたいのに帰れない避難者の方や低線量地区でも帰れない方々が、引き続き長期避難を余儀なくされている中で、多くの不安や心配事を抱えている事に対し、改めて迅速かつ明確な対応を示すべきであると考えている。
(2) 富岡町議会において富岡町長は、この報道がある前から杉戸町への災害公営住宅整備については 杉戸町でも協力したいとの意向がある旨の発言をしているが、発言の協議はされていたのか伺う。
◆古谷町長の答弁
杉戸町では6月に町内に避難中の富岡町民の方から、杉戸町内に災害公営住宅の整備に向けて、富岡町や福島県に働きかけていただくよう要望を受けた経緯がある。
その旨、当町の担当者を通じて富岡町の担当者に情報提供を行った。
その際、当杉戸町としては、富岡町から正式な協議を受けた段階で、できる範囲で協力を行う旨お伝えした。
その後については、具体的な協議はまだ行われていないという現状にある。
(3) 9月議会において古谷町長は、仮の町構想は、福島県内での取り組みであることから、この縛りが取れた際には考える旨の発言があった。 今後の考えを明らかにされたい。
◆古谷町長の答弁
災害公営住宅の整備については、避難者を対象とした住民意向調査の結果に基づいて、避難元自治体である富岡町が国および県と協議を進め、福島県内という縛りが取れた上で富岡町から正式に要望が来た段階で、当町としては富岡町の意向を踏まえ、できる範囲で協力したいと考えている。
町長の答弁を受けて、引き続き、須田議員より質問が行われ、事務担当部局である住民参加推進課長および町長による答弁が行われました。
最後に、須田恒男議員による質問は、次のような言葉で締めくくられました。
「今日は多くの避難をされている富岡町民の方を中心とする傍聴者の方がいらしています。ここで議論したものを、ぜひとも実行に移していただくよう(お願いするとともに)、この杉戸町に住みたいという避難されている方々がいる限りにおいては、ぜひとも、災害公営住宅を造っていただきたいという気持ちでございますので、今後とも、町長を始め担当部課においては、情報を共有しながら従事するように、私も力を添えていきたいと思いますのでお願いを致します。」