震災支援ネットワーク埼玉

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「“原発避難いじめ” 大人も半数近くに」NHKニュースから

「“原発避難いじめ” 大人も半数近くに」NHKニュースから

2017年3月9日、「“原発避難いじめ” 大人も半数近くに」というニュースがNHKのニュースで報じられています。

震災支援ネットワーク埼玉では早稲田大学 人間科学学術院と共同で2012年以来、原発事故による福島県からの避難者状況調査を、避難元自治体のご協力をいただき実施させていただいておりますが、2017年2月に実施した調査では、NHK 社会部と共同で「原発避難いじめ」に関する特別版となる調査用紙を同封させていただきました。

この調査では、いじめを受けていた子どもたちと同じく、大人たちも「賠償金」などを理由として避難先で嫌がらせや精神的苦痛を受けていて、その数は全体の半数近くに上ることが明らかになっています。

3月8日 のNHK総合「クローズアップ現代+ 震災6年 埋もれていた子どもたちの声 ~“原発避難いじめ”の実態」の番組放映までに届き集計することができた741件のうち、「子どもがいじめられた」と回答いただいたのは54件に上りました。

さらに、本調査ではお子さんだけでなく、大人の方も対象とした設問にご回答いただいているのですが、全体の半数近い334人が、大人も避難先などで嫌がらせや精神的苦痛を感じたことがあるとのご回答をいただいています。この内容については、賠償金に関するものが最も多く274件、避難者であることを理由としたものが197件、さらに、放射能を理由としたものが127件となっています。(複数回答)

NHK 3月9日の朝7時のニュースでは、「避難者であることを理由に団地の行事に参加させてもらえなかった」や「自動車に傷をつけられた」、さらに、「転職先で賠償金をもらっているから資格や給与をあげる必要はないと言われた」など具体的な嫌がらせや偏見の内容を報じています。

昨今大きな話題となっている“原発避難いじめ”の実態として、子供だけの問題ではなく、大人の間に差別や偏見が広がっていることが明らかとなったものと思われます。

当団体の副代表で、早稲田大学人間科学学術院の辻内琢也教授は「賠償金が生活環境やふるさとを奪われた人たちに対する償いであるということが忘れ去られてしまっている。多くの人たちが原発事故の被害が今でも続いていることを知ることが大切だ」とコメントしています。

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