2021年11月28日 早稲田大学大隈記念講堂で開催されたシンポジウムにつきまして、収録の動画がYouTubeに公開されましたのでお知らせさせていただきます。
なお、今回の企画では、若い当事者学生達の勇気ある発言に耳を傾けていただきたく存じます。様々な意見をお持ちの方がいらっしゃると思いますが、話し合いや議論のキッカケになることを望んでいます。誹謗中傷など、人を傷つける心ない対応のなきようご理解とご協力をお願いいたします。
【第1部】被災当事者学生による講演
【第2・3部】金菱清「現在大学生になる被災当事者との対話から私たちは何が学べるか」・パネルディスカッション
【第4・5部】萩原裕子「被災当事者の語りに耳を傾け学ぶことの意義」・シンポジウムのまとめ
開催概要は下記の通りです。
日時:2021年11月28日(日)10時~18時
(無料・入場自由)
場所:早稲田大学大隈記念講堂(地下1階)小講堂
Zoom同時開催:zoom参加の場合ネット申し込み制 (こちらのページよりお申し込みいただけます)目的
原発事故による避難生活という過酷な人生体験を小学生の時期に経験した被災者は、今年で17歳〜22歳となります。
現在大学生となった被災当事者は、あの震災をどう受けとめ,またこの10年間をどのような社会経済状況におかれ、どのような心理状態で、どのように思考を重ね、どのように生き抜いてきたのでしょうか。
本シンポジウムにおいて、心身医学・精神医学(辻内・熊野)、医療人類学(金・辻内)、発達心理学・児童福祉学(平田)、発達行動学(根ケ山)、臨床心理学(桂川・金)、教育心理学(桂川)、社会心理学(日高)、環境心理学(小島)、社会福祉学(多賀・増田・岩垣・猪股)、地域福祉学(増田)、精神保健福祉学(岩垣)、公衆衛生学(扇原・日高・岩垣)、社会学(多賀・辻内)、文化人類学(金・辻内)、法学・政治学(猪股)といったトランス・サイエンス(学際的・学融的)の観点から、未来を担う若者達の語りを傾聴し、対話を重ねていくことに意義があります。
本チームがこれまで10年間に行ってきたシンポジウムでは、「今被災者にとって何が問題なのか?被災者をいかに支援すべきか?」というテーマを中心に、被災当事者の方たちと専門家が対等な位置関係で互いに学び合う機会を作ってきました。中でも、本シンポジウムの特記すべき点は、震災当時小学生であった若者の経験と考えから学ぼうとする新しい取り組みにあります。
スケジュール
[ご挨拶] 10:00〜10:10
扇原 淳 (早稲田大学教授・人間総合研究センター所長)
平田 修三 (シンポジウム実行委員長,仙台青葉学院短期大学講師)
[第1部.被災当事者学生による講演] 10:10〜13:00
- 被災当事者学生5名(双葉町・福島市・郡山市・いわき市出身)による講演:「原発事故10年の経験/いま考えること」
- 早稲田大学人間科学部学生による発表:「被災当事者学生へのインタビューを通して学んだこと」
- 研究者5名によるコメント (臨床心理学・社会心理学・建築環境心理学・行動医学・社会福祉学の立場から)
[第2部.基調講演] 14:00〜15:00
『現在大学生になる被災当事者との対話から私たちは何が学べるか』
金菱 清(関西学院大学社会学部教授、災害社会学・環境社会学)
[第3部.パネルディスカッション] 15:10〜16:40
被災当事者学生5名と金菱清・萩原裕子とのクロストーク
- 原発事故10年の経験の意味・意義を考える
- ポスト3.11・ポストコロナの日本・国際社会のあり方を考える
- 若者達による提言
[第4部.講演] 16:50〜17:30
『被災当事者の語りに耳を傾け学ぶことの意義』
萩原 裕子(震災支援ネットワーク埼玉SSN・心理相談チーム代表)
[第5部.シンポジウムのまとめ] 17:30〜18:00
根ケ山 光一 (早稲田大学名誉教授,発達行動学)
猪股 正 (震災支援ネットワーク埼玉SSN代表,弁護士)
辻内 琢也 (シンポジウム大会長,早稲田大学教授,
早稲田大学災害復興医療人類学研究所所長)
◆主催:早稲田大学人間総合研究センター
◆共催:震災支援ネットワーク埼玉(SSN),早稲田大学災害復興医療人類学研究所(WIMA)
科研費基盤研究(B):原発事故被災者の移住・帰還・避難継続における新たな居住福祉に関する人間科学的研究